こんにちは!今回は2014年1月16日放送TBSラジオたまむすびにて、町山智浩さんが紹介していた「英国王のスピーチ」を鑑賞しました。そこでその感想をネタバレも少し含めて紹介していこうと思います。
目次
『英国王のスピーチ』のあらすじ
「英国王のスピーチ」は2011年公開のトム・フーパー監督作品。
あらすじ
これは吃音症だったジョージ6世と友人ローグの物語。
物語の始まりは1925年。吃音に悩むアルバート王子こと後のジョージ6世と、その妻エリザベスは町の言語聴覚士ライオネル・ローグのもとを訪れた。そこでローグは治療だと言い、アルバート王子に音楽の聞こえるヘッドホンを付けさせて声を録音したりする。しかしローグの王室への礼儀を無視した治療に腹を立てたアルバート王子は怒って帰ってしまうのだった。
ところが、後日帰り際に渡された自分の声を録音したレコードを聞いてみると、そこにはスラスラと朗読する自分の声が。つまりアルバート王子は「自分の声を聞かなければどもらずに話せる」ということだった。初めての希望の見える発見に、アルバート王子は妻と共に再びローグのもとへ訪れるのだった…
登場人物
ライオネル・ローグ -ジェフリー・ラッシュ
エリザベス妃 -ヘレナ・ボナム=カーター
エドワード8世(デイヴィット王太子) -ガイ・ピアース
ジョージ5世 -マイケル・ガンボン
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『英国王のスピーチ』町山さん解説。王の吃音はずっと隠されてた?
町山智浩さんの話によると、ジョージ6世が吃音だったというエピソードは王室がずっと隠してきたことだったそうです。
ところが当事者のジョージ6世や、その妻のエリザベスが亡くなったことでやっと映画化できたとのこと。
「本人いないし、まぁいっか」といった感じだったんでしょうか。
さすがイギリス、ちゃっかりしています。
ここから先はネタバレ有です。まだ観ていない人は注意!
『英国王のスピーチ』辛い吃音。妻エリザベスの励ましに感動
吃音とは話そうとすると、どもってしまうことです。精神的なストレスやトラウマが原因で、ジョージ6世の場合は、子供時代の抑圧された生活が原因だと言われています。
実をいうと筆者も吃音の経験者。その経験から思うのは、理解されないことが一番辛いということです。話そうとすればするほど喉がつっかえ、舌の動きがわからなくなる。とても苦しいです。
なのでジョージ6世が吃音を兄からバカにされたり、父親から怒られているシーンは見ているこちらまで悔しくなりました。
そんな心無いシーンが続く中で、妻エリザベスの「何故2回もプロポーズを断ったと思う?王室なんて嫌だったのよ。でもね素敵な吃音、幸せになれそうって思ったの」という言葉にはグッときました。
だってジョージ6世への深い愛情が伝わってくると思いませんか。そんな優しい励ましの言葉に心がじんわりと温かくなりました。
『英国王のスピーチ』アメリカではR15の暴言連発?内気な王様の本音と初めての友人
ジョージ6世の吃音治療をすることになった言語聴覚士のローグ。ところがローグはジョージ6世を「バーティ」と呼び、怒らせてしまいます。
しかし、ローグの治療のおかげでジョージ6世は「自分の声を聞かなければどもらない」という希望の見える発見をし、治療を続けることにするのです。
吃音の原因は抑圧された生活を続けたこと。そこでローグは、ジョージ6世に自分を解放するように言います。過去のトラウマや愚痴。だんだんと自分をさらけ出していく様子は医者と患者ではなく、まるで友人のようでした。
中でも印象的だったのは、ローグに煽られてジョージ6世が暴言を吐きまくるシーン。町山智浩さんの話によると、この映画はアメリカではR15 だったとのこと。
確かに凄まじい暴言だったので納得です。普段の内気な姿からは想像もつかない言葉の連発に思わず笑ってしまいました。
『英国王のスピーチ』は伝記映画にあらず!少年漫画的ストーリー!
「努力」「友情」「勝利」。「英国王のスピーチ」はまさに少年漫画的ストーリー。
ジョージ6世は吃音というコンプレックスを抱え、自分に自信がありませんでした。しかしローグという友人と出会い、努力し、初めてスピーチを成功させたことで自信を取り戻すことができるのです。
いつも不安げに泳いでいた目もラストは意思の強い目に。「王になんてなりたくない」と泣きながら弱音を吐いていた人物には見えませんでした。
互いにぶつかりながらも力を合わせ、コンプレックスという大きな敵に打ち勝った2人。ダンディなおじ様同士の熱い友情に感動しました。
『英国王のスピーチ』はコンプレックスを乗り越えたい人にもおすすめ
大人の友情物語です。諦めずに困難に立ち向かうことの素晴らしさを教えてくれる映画でした。
また吃音がテーマなので、吃音の経験者には共感できる部分が多いはず。「吃音症に悩んでいる」「コンプレックスを乗り越えたい」という人におすすめの映画です。
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画像出典: IMDb “The King’s Speech”
松田さとし
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