映画『オデッセイ』の感想。孤軍奮闘するマットデイモンがキュート!科学的正確性も追及された火星サバイバル!

今回は、映画評論家の町山智浩さんが2015年10月20日に、TBSラジオ「たまむすび」の中で紹介していた映画『オデッセイ』について語りたいと思います。

地球から遠く離れた火星に1人取り残された、マット・デイモン演じる宇宙飛行士のマーク・ワトニー…果たしてその運命は・・・。

科学的正確性も追及された映画ですので、宇宙や科学の興味を深めるために親子で見るのもおすすめ映画ですよ。そして、BGMを彩るのが70年代ディスコミュージック!サバイバルを重くならずに楽しめる作品になっています。

ではどんな映画なのか紹介していきますね。

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映画『オデッセイ』あらすじ・出演者情報

あらすじ

宇宙飛行士のマーク・ワトニーは、他のクルー5名とともに火星での探索任務に就いていました。

ある日の任務中、天候が悪化し、嵐が近づいてきました。クルー達は火星からの退去を迫られます。皆がロケットに避難しますが、強風で飛んできたアンテナがワトニーを直撃し、彼だけが行方不明に。この環境の中でワトニーが生き延びている 可能性は限りなく低いだろうと判断し、また火星から飛び立つまでの時間的な余裕もなかったため、指揮官のルイス船長をはじめとしたクルー達は泣く泣く火星をあとにします。

しかしその後、嵐が去った火星では、なんとワトニーは生きており、ひとり火星に取り残された状況を把握するのでした。

<監督>
リドリー・スコット
<キャスト>
マーク・ワトニー:マット・デイモン
メリッサ・ルイス:ジェシカ・チャスティン
テディ・サンダース:ジェフ・ダニエルズ
ミッチ・ヘンダーソン:ショーン・ビーン

リドリー・スコット監督は、実は監督賞の受賞歴はそこまでなく、作品の評価も賛否両論であることが多いようです。映画「エイリアン」や「ブレードランナー」にて監督として一躍有名になり、その世界観は現代のSF作品にも多くの影響を与えています。

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ゲームオブスローンズのネッド役ショーン・ビーンも出演!

また、ワトニーを救うためにNASAの長官であるテディと対立しながら、必死にクルー達を守ろうとするフライトディレクターのミッチをショーン・ビーンが演じており、彼の愛にあふれた役どころは、同じく彼が出演しているドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」でのスターク家の王、エダード・スターク役を彷彿とさせます。

私が「ゲーム・オブ・スローンズ」にハマりだしたのがここ数年のことでしたので、今回改めて映画『オデッセイ』を観てみて、何だか見たことがある・・・と思ったら、彼でした。アメリカのサイトが発表した「よく死ぬ映画俳優トップ10」で1位に選ばれたこともあるそうです。(笑)

『ゲームオブスローンズ』関連の記事もあわせてご覧ください。

映画『オデッセイ』町山さん解説。シーンに合わせた絶妙な選曲!ディスコヒット曲が映画を盛り上げる

映画評論家の町山智浩さんは、ラジオの中で映画『オデッセイ』の挿入歌について語っていました。映画の中で主人公ワトニーが唯一の娯楽としていたのが、音楽を聴くことです。

この音楽は、ルイス船長が地球から持ち込んだCDなのですが、これが1970年代ディスコヒット曲特集なんです。各シーンで、ディスコヒット曲がかかるのですが、これがシリアスになりがちな、というかならざるを得ないワトニーの火星生活を明るく演出してくれます。

また、曲の歌詞が、シーンに合ったものを選んでいるそうで、歌詞の意味を理解して映画を観ると、また違った楽しみ方ができますよね。残念ながら、訳詞は著作権の関係上つけることができないそうですが、サウンドトラックもでているのでディスコヒット曲が好きな方にはたまらない作品となっています。

≫ 映画『オデッセイ』のサウンドトラックを聴く

映画『オデッセイ』マット・デイモン孤軍奮闘!おイモをウンチで育てる?

火星に一人取り残されたワトニー。さて、まずは生きなくてはなりません。

次の宇宙船がやってくるまでは4年という月日があり、現在手元にある食糧ではとても持ちません。

残された物資を探していくと、なんと生のイモが発見されます。これが、今後ワトニーの主食となっていきます。

ワトニーは実は植物学者でもあり、火星でイモの栽培に着手するのでした。

植物は栄養がないと育ちませんので、ワトニーは仕方なく、クルー達の残していった排泄物を利用してイモを量産していきます。

便は密閉された袋の中で個人の名前が記載され保管されていました。これは本当に素晴らしい肥料として活躍するのですが、ワトニーが「これは○○(クルーの名前)の(ウンチ)か・・・」としみじみ確認したり、袋を開けて使用する際には「オエエエ」といった吐き気を催しているようなシーンもあり、思わず笑ってしまいます。

他にも水や酸素が必要ですから、科学的にそれらを発生させる様子など、「科学的正確性」を大事にしている部分も見どころです。

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映画『オデッセイ』マット・デイモンの健気な様子がキュートで愛おしい!

一方地球では、ワトニーが生きていることが明らかとなり、なんとか互いに通信できないかと試みます。

ワトニーは、かつて火星に送られ、今はもう機能していない「マーズ・パスファインダー」と呼ばれる探査機を発見し、その機能を復活させることに成功します。

地球からその様子を衛星で捉えていたNASAでは、地球でも保管されていたマーズ・パスファインダーのレプリカを起動させ、ワトニーからの通信を待ちます。

ワトニーは、カメラを通して、受信していますか?イエス、ノーの看板を掲げ、カメラに首振りを要求します。

通信に時間はかかりましたが、見事成功、カメラの首がイエスを向き、その瞬間ワトニーも大喜び。火星で一人になってからも冷静なワトニーでしたが、この嬉しそうな姿には胸をうたれます。

初めての火星でのサバイバルに一生懸命なワトニーを見ていると、早く誰か彼を助けて!と思わずにはいられません。キュートなマット・デイモンをたくさん観られますよ。

映画『オデッセイ』宇宙飛行士の鍛え抜かれた精神力がすごい!

もし自分が火星に一人、ワトニーと同じ状況に取り残されたら・・・とても長生きできません。

それは、もちろん食糧の問題もありますし、何より孤独という言葉では表現できないほどの、真の孤独状態ですよね。宇宙飛行士になるためには、宇宙飛行に関して想定されるありとあらゆる脅威に対しての訓練を行うそうです。

宇宙環境は、そこに行くだけで多大なストレスが生じる環境ですから、ワトニーのような状況が実際に起こってしまったら・・・こんなに冷静でいられるものでしょうか。

しかしそこは鍛え抜かれた身体と精神力を持ったワトニー、次々と生きるための知恵を絞り成功していきます。彼の冷静さは、観客もパニックにならずにストーリーを楽しむうえで非常に重要です。ともするとこちら側まで息が詰まりそうな設定ですからね・・・。

しかし、途中、壁に何度もぶつかったり、地上との連絡の中でワトニーのストレスが垣間見えるシーンがあります。宇宙飛行士として、また人間として当然の姿をみると、少しホッとしました。

宇宙飛行士という職に就く人々の、精神状態の何と鍛えられていることか・・・。現代科学の進歩は、宇宙飛行士の方々の多大なストレスや犠牲によって成り立っていることを、フィクションではありながらも実感できる映画でした。

映画『オデッセイ』勇気と「科学」の素晴らしさを感じられる!親子での鑑賞もおすすめ!

この映画ではマット・デイモン一人で登場するシーンがほとんどですが、彼の生きる力に圧倒されます。

どんな人間も、この映画ほどではないにしろ、様々な困難と向き合いながら日々を暮らしていますよね。映画『オデッセイ』は決してスーパーマンについての物語ではなく、一人の人間が必死に生きようとする前向きで諦めない強さを描いた作品となっています。そして、それを救おうとする人々との心の交流に、感動の嵐です。

また、科学的な知識がない方でも、映画の中では順を追って原理が表現されおり、宇宙や科学の素晴らしさを存分に堪能できる作品となっております。科学に興味を持つきっかけとして、親子で鑑賞するのもおすすめです!

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マット・デイモン出演映画おすすめ7選

画像出典: IMDb “The Martian”

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