【ネタバレ】『ゲット・アウト』の感想。ホラーが苦手でも大丈夫?ある意味ものすごいホラーな映画。

今回は、「アメリカ流れ者」で町山智浩さんが2017年3月14日に紹介されていた『ゲット・アウト』の感想です。

幽霊やモンスターが出てくるようなホラーではないということで、ホラーが苦手な私でも見れるかな?と思い鑑賞しました。

後半になるにつれて謎がわかっていき、どんどん恐ろしくなっていくような映画でした・・・。

ホラーが苦手な人でも、今回のレビューを読んでしまえば多分見れますよ!

では、早速どんな作品なのか紹介していきます。

 

『ゲット・アウト』あらすじ・出演者情報

あらすじ

アフリカ系アメリカ人の若手カメラマンであるクリスには同年代の白人の恋人ローズがいました。彼女の両親に挨拶するため、週末に山奥にある彼女の実家へ向かうことになります。

両親は人種差別をするような人物ではないと言っていたローズでしたが、実家の屋敷では黒人の使用人が働いてました。違和感を覚えたクリスでしたが居心地の悪いまま数日を過ごすことに・・・。

登場人物

クリス・ワシントン – ダニエル・カルーヤ
ローズ・アーミテージ – アリソン・ウィリアムズ
ミッシー・アーミテージ – キャサリン・キーナー
ディーン・アーミテージ – ブラッドリー・ウィットフォード
ロッド・ウィリアムス – リル・レル・ハウリー

主演のダニエル・カルーヤは本作をきっかけに俳優として注目をあび、アカデミー賞主演男優賞などにノミネートされました。最近では『ブラックパンサー』などにも出演しています。

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『ゲット・アウト』町山さん解説。監督のジョーダン・ピールは俳優でありコメディアン

ジョーダン・ピール監督

町山さんの解説によると監督のジョーダン・ピールはテレビでコントを披露したりするコメディアンなんだそうです。

コンビでコメディ番組を制作しており、その中では社会問題を取り入れたかなり風刺的なコントをしているようです。

コメディアンが手がけるホラー映画ってなかなか珍しいですよね。

 

以降ネタバレを含みます!ネタバレ厳禁な映画なので鑑賞予定の方はお気をつけください!

【ネタバレ】『ゲット・アウト』ビンゴ大会で競売にかけられたクリス

前半はとにかく不気味で、ふわふわした家族とのやりとりにも得体の知れない不安感があります。

黒人の使用人の存在や、家族の振る舞いが引っかかっていたクリスですが、週末には屋敷で親戚や知り合いが集まるパーティーがあるということで参加せざるを得なくなります。

パーティーの参加者は白人ばかりで異常にクリスに興味を示します。体格を確かめるように体を触られたりと無礼な扱いを受けたクリスはパーティーを抜け出します。

そしてクリスが抜け出した後のパーティーでは白人たちがビンゴゲームをはじめ、なんとその前にはクリスの写真が置かれています。

白人たちは黒人のクリスを競売にかけていたのです。

奴隷市場さながらの悪趣味な行為に背筋がぞっとしました。

そもそもクリスをこの場に招き入れたのは、初めからこれが目的だったというわけです…。

『ゲット・アウト』ホラーでありコメディ?後半のクリスの反撃は笑えるくらい爽快!

クリスを招き入れた白人家族たちは皆、黒人の身体能力を欲する白人のために、白人の脳を黒人の身体に移す移植手術をおこなっている集団だったのです。

そして恋人だと思っていたローズもその協力者です。

クリスは催眠にかけられ手術を施されそうになりますが、催眠にかからないように耳に綿をつめていたのでギリギリのところで助かります。

ここからの怒り狂うクリスの大逆襲は爽快です!

クリスを手術台へと運ぼうとするローズの兄を殴り飛ばし、いままさに手術を行おうとしていたローズの父を鹿の剥製のツノで突き殺します。

黒人狩りのようなことをしていた差別主義者の白人たちをばさばさと倒していく姿に思わず笑みがこぼれました。

前半は何が何だかわからずずっともやもやしますが後半はアメリカ映画らしくそのもやもやを吹っ飛ばしてくれる展開になっています!

『ゲット・アウト』黒人に憧れを抱き、それを手に入れようと必死な白人

本作に出てくる白人たちは、クリスのようなアフリカ系アメリカ人などの黒人の人々が生まれ持った身体能力に固執しています。

黒人に憧れを持っている一方で、その憧れは同じ人間として尊敬するということからかけ離れているのがものすごく恐ろしいのです。

人種の違う人々をモノのように扱うその姿は、かつて奴隷制度があった頃の時代を彷彿とさせるおぞましさがあります。

『ゲット・アウト』異例のヒットとなったのはトランプ政権時代だからかも

こういった人種差別に対する風刺的な作品はもう時代遅れではないかと思う方もいるかもしれません。

オバマ前大統領は黒人でしたし、アメリカでは表面的には差別なんてないように見えるかもしれません。

しかし大統領が変わってあらわになったのは、差別主義者のトランプ大統領に賛同する多くの過激な白人至上主義の人々でした。

結局は差別はなくなっておらず、アメリカに暮らす人々の身の回りにも差別は溢れていると感じているからこそ、本作がアメリカで大ヒットしたのではないでしょうか。

いつの日か人種差別問題をあつかった風刺作品が賞味期限切れになるような世界が訪れることを願っています。

『ゲット・アウト』ホラーが苦手な方、ホラーを見飽きた方に!

黒人の人々の視点からみると恐ろしすぎるホラー体験となっています。

前半の不穏な空気感から、後半はアクション的な展開になっていくのでそのギャップもぜひ楽しんでいただきたいです。
笑えるところも結構ありますので、ホラーが苦手な方も、普通のホラーは見飽きたという方もぜひ見てみてはいかがでしょうか。

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主演ダニエル・カルーヤ出演

画像出典:IMDb “Get Out”