『ペンタゴンペーパーズ』感想。メリル最高の演技!巨匠の早撮りの裏にあったものとは?

2018年2月6日に「たまむすび」で町山さんにご紹介いただいた『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(原題:The Post)を観ました。

国防省の最高機密文書(通称ペンタゴン・ペーパーズ)を手にしたメディアが「報道の自由」の威信にかけて動いた、実際にあった話です。

巨匠スティーブン・スピルバーグ監督と、メリル・ストリープ、トム・ハンクスがタッグを組んで、アカデミー賞で主演女優賞、ゴールデングローブ賞で主演女優、男優、監督、作品賞等、何もかもかっさらっていった秀作!

スピルバーグ監督がこの映画を「早撮り」で撮影した理由とは!?

メリル・ストリープの演技は過去最高ではと思うほどでしたよ。では紹介していきます。

 

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』あらすじ・出演者

監督・出演者

監督:スティーブン・スピルバーグ

キャサリン・グラハム(ワシントン・ポスト社主):メリル・ストリープ
ベン・ブラッドリー(ワシントン・ポスト編集長):トム・ハンクス
トニー・ブラッドリー(ベンの妻)       :サラ・ボールソン

あらすじ

リチャード・ニクソン大統領政権下71年のアメリカ。最初から勝ち目のないベトナム戦争に加担したという国防省の最高機密文書、通称「ペンタゴン・ペーパーズ」の存在をニューヨーク・タイムズがスクープしたことから、物語は始まる。

ニューヨーク・タイムズ紙のライバル紙でもあるワシントン・ポスト紙では、編集長のベン・ブラッドリーらが、その文書をなんとか手に入れることに成功する。が、ニクソン政権は記事を書いたニューヨーク・タイムズの差し止めを要求。

新たに記事を掲載すれば、ワシントン・ポストも同じ憂き目にあう。記事の掲載を巡り会社の経営陣や株主と、ブラッドリーら記者たちの意見は対立。今は、亡き夫に代わり発行人、社主に就任していたキャサリン・グラハムは、経営か報道の自由か、難しい判断を迫られる。

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『ペンタゴン・ペーパーズ』町山さんの解説。報道の自由。早撮りのスピルバーグ監督。

町山さんは、「報道の自由」に関係する二つの映画の紹介をされました。そして、巨匠スティーブン・スピルバーグ監督の早撮りについて。

大統領の陰謀!二つの映画に込められたメッセージとは?

この日の放送では、町山さんは二つの映画を紹介しています。

一つはこの「ペンタゴン・ペーパーズ」。もう一つは、その後のウォーターゲート事件を取り扱った「ザ・シークレットマン」。

どちらも実話で、政府の機密文書漏洩事件を扱っています。そして現代アメリカにおける「報道の自由」の礎になった大きな事件でもあります。

そのどちらの主軸になるのが、ワシントン・ポストという有名な新聞社です。

今でこそ、NYタイムズと双肩を並べるワシントン・ポストですが、1971年はまだ地方紙。

そこに舞い込んできたのが「ペンダゴン・ペーパーズ」。

この映画の現代は「THE POST」と行って、そのワシントン・ポストがどうやって「報道の自由」を手にしたのかを描いた映画です。

珍しく、町山さんが二つの映画を並べて紹介したことに言及はなかったのですが、関連性のある実話で、どちらも大統領や国防長官という「政府」が起こした事件だったこと。それによってベトナム戦争や赤狩りに国が加担し、膨大な悲劇と犠牲を産み出したこと。

何より、フェイクニュースの怖さは、現代にも通じるということを伝えたかったように思いました。

9か月間の早撮り!スピルバーグとトムとメリルの職人技!

特に町山さんが強調していたのは、スピルバーグの「早撮り」!

元々早いスパンで撮影する監督さんだそうですが、「ペンタゴン・ペーパーズ」は、構想から、なんと!9か月で撮影された映画です。

いくらなんでも早すぎます!

もちろん、彼の力だけではなく、主演のメリル・ストリープ、トム・ハンクスあってこその早撮りだったと思いますが、これこそ、職人技!

町山さんも仰ってましたが、正に、「職人が揃えば黙っていても映画は撮れる」見本のようなもの。

何よりも、3人の信頼関係がこの映画をここまでクオリティーの高い作品に創り上げた一番の功績ではないでしょうか。

スピルバーグは二人の名優に、何も言わずにワンテイクで撮り続けたそうです。お見事!

史実ではありますが、以降ネタバレありですのでお気をつけて!

『ペンタゴン・ペーパーズ』メリル・ストリープの最高の演技!「普通のおばさん」から「編集者へ」と、時間を演じ切る

この映画でアカデミー賞主演女優賞を獲得したメリル・ストリープ。誰しもが認める名優でありますが、今回、この映画での演技、今まで私が観た彼女の映画の中で、最高の演技だと思いました

彼女が演じるキャサリンは、元々は父親が創り上げた「ワシントン・ポスト」の社長令嬢。

父親亡き後を継いでポスト社の社主となった夫を支え、良妻賢母の人生を送ると思っていたところに、突然の夫の自死。結局会社を引継ぎ、日々株主と記者の間で右往左往している、なんの力もない女性です。

今までの彼女(メリル・ストリープ)も、普通の主婦や不倫に落ちいる女性など、いわゆる「普通」の女性を演じていますが、今回のキャサリンは、「自分の人生を生きる」ことを知らないまま、大きな会社を任されていて、父親や夫への義務を全うするために、嫌々慣れない仕事を一生懸命やっています。

しかも、1971年代のアメリカでは、まだまだ女性の地位は低く、彼女が株主総会や、後援者との打ち合わせで部屋の扉を開ける度、そこには冷たい目をしたスーツの男たちがタバコの煙をモクモクさせ、彼女を見下げた目で迎え入れます。

これだけでも、観ている側としては、腹立たしいパワハラですが、時代がそうだったことを、ちゃんとスピルバーグも逃しません。

この、男性たちの中へ、重い荷物を持って、ただひたすら会社の運営を支えるために意を決して入り込んでいくキャサリン。涙も出ないほど疲れ果てて、生きるのに一生懸命です。

でも、綺麗。

そうなんです、女性らしさも常に求められているだろう、この時代を本当によく演じきっていました。

その彼女が社主として、ペンタゴン・ペーパーズを掲載する、その決断の時の、彼女の演技が忘れられません。

それは、「普通のおばさん」が、夜の献立を決めるような雰囲気で英断をし、初めてワシントン・ポストを「私の新聞社よ」と母親の愛で包みこんだ瞬間でした。

この女優さんが、本当に名優だと心から感動したワンシーンです。

『ペンタゴン・ペーパーズ』が早撮りである必要があった理由とは。トランプ政権へのアンチテーゼ。

スピルバーグが何故、こんなにも早くこの映画を撮りたかったのかを、町山さんが解説しています。

曰く、

スピルバーグがこの映画を作ろうと思ったのは、トランプが大統領になり、『フェイクニュースを作っているのはメディアだ』と訴え、何もかもをメディアに押し付け、目くらましをしょうとしたことに対してのアンチテーゼ。

つまり、メディの正義を訴えたかったから。

そのためには、早く世の中にメッセージを送る必要があったということです。

日本もそうですが、負のイメージのある政治家ほど、政界に長居し続ける印象がありますよね。

スピルバーグがどれだけ危機感を感じているか、また、どれだけ自分自身に影響力があるのかを知っているからこそ、即効性が可能になったハリウッドの大きさにも、今更ながら驚愕します。

そういう意味では、映画も含めて、報道に関わる人は、いつの時代にもジレンマを抱えているのだと思いました。

トム・ハンクス演じる敏腕編集者ベン・ブラッドリーが、常にイライラしているように感じたのは、そこにスピルバーグ自身のジレンマが反映されているからかもしれません。

『ペンタゴン・ペーパーズ』長い人生、一回くらい、概念に負けないで「信念」で行動してみたい!

人生って、何があるのかわからないですよね。キャサリンのように、一生普通の主婦で終わると思っていたのに、結局は国を揺るがすような決断をせざるを得ないこともあります。

そして、そこには必ず、きっかけとなる「信念」があるのです。

もし、今信じていることがあって、中々扉が開かないと思っていても、「信念」を曲げない心を持つこと。失敗したと思って違う道に行ってみたら、実は最高の結果に辿り着くのが人生かも。

トム・ハンクス演じるベン・ブラッドリーは常に速攻即断。休んでいる暇もないくらいに、イライラしながら、特ダネを追っています。それこそ、「信念」あふれる「男」でした。でも、最後の英断は「女」であるキャサリンが降します。彼女が貫いた「信念」には、女性だからこその、清々しい風が吹いたのも間違いありません。

長い人生、一回くらい、概念に負けないで正しいと思ったことを貫いてみよう、と思わせてくれる素晴らしい映画です。

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画像出典:IMDb “The Post”

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