『女王陛下のお気に入り』の感想。チャンスは一瞬!もしも人生大逆転できるならそんなことだってやるでしょ!?

2019年1月放送の「たまむすび」で町山さんが紹介していた映画『女王陛下のお気に入り』の感想です。

イギリス版の大奥ともいえる?女王陛下の「お気に入り」の座を巡って、二人の女が戦う、戦う!痛快で圧巻!!観終わって開口一番「おもしろ~い!」が飛び出すはず!久しぶりにテンション上がった映画でした!

 

『女王陛下のお気に入り』あらすじ・出演者

あらすじ

18世紀初頭、フランスと戦争中のイングランド。王位は女王アンにあったが、精神的に虚弱であったために幼馴染レディ・サラが女王の世話をしつつ、絶大な権力を振るっていた。
そんな中、没落貴族でサラと親戚関係にある新しい召使いアビゲイルがサラを頼って宮廷入りする。レディ・サラはアビゲイルを支配下に置くが、一方でアビゲイルは再び貴族の地位に返り咲く機会を伺っていた。
サラの庇護を利用して女王に近づいていくアビゲイル。「お気に入り」を巡って二人のレディが策を巡らせていく。

出演者情報

オリヴィア・コールマン = アン女王
レイチェル・ワイズ   =レディ・サラ
エマ・ストーン     =アビゲイル

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『女王陛下のお気に入り』町山さん解説。ランティモス監督と攻めるエマ・ストーン!

町山さんの解説では、『女王陛下のお気に入り』のランティモス監督のことや、アビゲイル役のエマ・ストーンの演技について語られました。

ランティモス監督のため息が止まらないコメディ。笑うに笑えない・・・

この作品、実はジャンルは「コメディ」。数多く受賞した賞もほとんどが「コメディ部門」。ランティモス監督は、大笑いするコメディではなく、どこか人生を皮肉って、「これって笑えるよね」って言わせる作品を作っている人。

町山さんのおっしゃる「ため息が止まらない」人生を生きている彼女たち。そう言われてみればどこか切なく思えました。

例えば、アン女王は女王だけれども政治には興味がなく、戦争をしていることさえ良く知りません。17人の死んでしまった子供の代わりに、17匹のうさぎを飼っていて、時に涙に暮れているかと思えば、糖尿病があるくせに、甘いものを食べて吐く。それでも食べるので、すごく太って痛風の痛みに声を上げて泣く。

そんな女王が政治を司れるわけもなく、そこを手玉に取って政治を動かしているのがレディ・サラとその夫です。彼女は女王の恋人でもあり、男装してピストルを撃つ美丈夫な人。

そこに現れた従妹の没落貴族アビゲイル。同じ強さを感じて引き上げたのに、自分の立場を脅かす存在に育ててしまう皮肉。

こんな「笑えないコメディ」がランティモス監督の世界。と、話している町山さんの声もちょっと笑えない感じでした。

アカデミー女優エマ・ストーンが攻めてくる!

没落貴族の娘で、レディ・サラを頼って宮廷の召使になったアビゲイルそこから「お気に入り」にのし上がる痛快な女性を演じたのは、ミュージカル映画「ラ・ラ・ランド」で一躍スターとなったエマ・ストーン

美人じゃないけど陽気で明るくて、根性を持っている笑顔が素敵な夢見る女性は、そこに「えぐ味」が加わって、まあ今回は攻めまくっています。これ、町山さんがおっしゃってた言葉。「攻めまくっています」(笑)。

こんなエピソードも紹介されていました。映画中、エマ・ストーンが素っ裸になるシーンがあるんですが、エマが監督に自分から裸になると言い張ったそうです。実際にその時、サラ役のレイチェル・ワイズもエマが裸になることを知らずにそのシーンに参加し、息をのんだとのこと。

なるほど、だから意味のある裸になったのかも!絶対に貴族に戻る!と決めて、燐と突き進むアビゲイルの美しさが際立つ瞬間でした。

『女王陛下のお気に入り』「大奥」の中で暗躍するグロテスクな男たち

女王陛下を巡る二人の女のバトルがメインの映画ですが、ここで忘れちゃいけないのが脇を固める男性たち

この時代、男性が女性よりも綺麗に着飾っていた時代でもありました。

戦争を政治に利用しようとしていたレディ・サラと対立する戦争反対派の貴族や、アビゲイルに一目ぼれして貴族の称号を与える夫など、登場する男たちはみんな鬘を付けおしろいで顔は真っ白。

その彼らが女王の前で政治的な顔を見せる場面と合わせて、アヒル・レースや裸の男にオレンジを投げつける遊びなどに興じる姿などは、いわゆるグロテスクと言う感じで、それこそ笑うに笑えないコメディ。

二人の女の戦いに乗じた男性たちの政治的暗躍も見逃せません。

『女王陛下のお気に入り』下剋上に燃える女の戦いは定石通りでもスッキリする!

この映画の原題は「The Favourite」。思わず「まんまやんけ!」ってツッコミたくなりましたが、観終わると、この原題が全てを表していると関しました。

映画を観ていると、サラとアビゲイルの二人が主役のように思えますが、実は本当の主役はアン女王。

事実、数多く受けた主演女優賞も女王役のオリヴィア・コールマンが受賞しています。

デブで、我儘で、鬱気味で、子供のような女王陛下。そのスカートの裾を二人の女たちがめちゃくちゃ頑張って掴んで昇りつめようとしている感じ。でも、「お気に入り」のスカートも、女王陛下がサラっと翻せば模様が変わります。そのことをサラもアビゲイルも良く解っているからこそ、策をめぐらせながらも、どこか攻め方も引き際も潔い感じがして痛快でした。

これが観終わった後に「おもしろい~!」と言わせた要因だと思います。

『女王陛下のお気に入り』もしも人生どん底で、大逆転のチャンスが転がり込んできたら?

アビゲイルは没落した身分を立て直すため、レディ・サラを頼って宮廷に召使としてやってきました。レディ・サラは夫の後ろに居ながら、女の身で政治の実験を握るため、女王陛下の要人となりました。もし、あなたが人生のどん底にいて、自分の人生を立て直したいと願った時、あるいは、願った以上の権力が手に入るチャンスが来た時、それを成しえるために絶対に必要なポジションがあったとしたら、あなたは立ち上がりますか?
この映画は、そんな疑問に「ちょっと笑えない」感じで答えてくれそうです。チャンスは一瞬。女王陛下の気分は変わやすいのです。お見逃しなく!

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画像出典:IMDb “The Favourite”

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