こんにちは!町山智浩さんが2015年2月10日放送のTBSラジオ「たまむすび」で紹介していた「アリスのままで」の感想を書いていきます。
仕事にも家族にも恵まれた、ジュリアン・ムーア演じる主人公が若年性アルツハイマーにかかり、少しずつ記憶を失っていく姿を追った映画です。
目次
『アリスのままで』あらすじ・出演者
出演者情報
ジョン・ハウランド – アレック・ボールドウィン
リディア・ハウランド – クリステン・スチュワート
アナ・ハウランド=ジョーンズ – ケイト・ボスワース
トム・ハウランド – ハンター・パリッシュ
あらすじ
大学で言語学の教授をしているアリス。美しい3人の子どもにも恵まれ、やさしい夫もいて、まさに順風満帆といった生活を送っていました。しかしある日、授業中に言葉が突然出てこなくなり、日課のランニング中にはいつも走っている道が分からなくなり迷子になってしまいます。
何かがおかしい、と感じたアリスは病院へ行き、そこでアリスに告げられた病名が、若年性アルツハイマーでした。
少しずつ記憶を失っていくアリスと、アリスを支える家族は、どうやってこの病気を受け入れ、向き合っていくのでしょうか。
ジュリアン・ムーアはこの映画で悲願のアカデミー主演女優賞を受賞しました。彼女の迫真に迫る演技にも注目です。
≫ 『アリスのままで』をAmazonプライムビデオで見る(199円)
『アリスのままで』町山さん解説。原題の「Still Alice」に隠された意味とは
この映画の原題は「Still Alice」。
Stillには町山さん曰く、二つの意味が込められていると。
一つは、「じっとして動かない」という意味があります。この映画では、アルツハイマーで最後は動けなくなってしまう、ということを示唆しています。
そしてもうひとつの意味が「そのまま」。これはまさに、この映画の邦題にもなっているとおり、「たとえそうなっても、まだアリスなんだ」という意味です。
町山さんが言っていた「人間としての尊厳とか、アリスさんっていう人間としてのアイデンティティーはどうなるのか?っていうことを問うていく映画」というのがまさに「そのまま」というのをあらわしていて、人間とは何か?ということを問いかけてくる映画です。
自分の一番大切な人すらわからなくなってしまう、町山さんも「強烈」と表現していましたが、アルツハイマーで記憶を少しずつ失っていく様は鬼気迫るものがありました。
≫ 『アリスのままで』をAmazonプライムビデオで見る(199円)
『アリスのままで』「自分とは何か」記憶を失っていく中で残るもの
この映画を見て、アルツハイマーで失うものは記憶だけでなく、言葉、趣味、自分・・・全てなんだと感じました。
特にこの映画の主人公は言語学の教授。そんな彼女が言葉を失っていく姿はとても痛々しかったです。
ご飯を作ったりトイレに行くといった当たり前だったことすら、少しずつできなくなっていく、家族の名前すら忘れてしまう。生きていく意味を見失ってしまう彼女は、ついに自殺まで考えるのですが、計画していた自殺方法すら忘れてしまうのです。
全てを忘れてしまった後に残る自分のアイデンティティーとはなんだろう、と映画を見終わった後にも考えさせられる映画でした。
『アリスのままで』家族がアルツハイマーになったら?自分がアルツハイマーになったら?
アルツハイマーになったアリスを支えるのが、夫と子どもたち。
それぞれが自分の生活を持ちながら、アリスの介護という問題に直面し、残された時間をどうやって一緒にすごしていくか、というのもこの映画の見所のひとつだと思います。
特に、人生の進路についてアリスと衝突していたリディアが、アリスの介護をするために家に帰ってきて、一番近くでアリスを見守る姿はとても印象的でした。
リディアがアリスに本を読み聞かせているシーン。きっと理解していないだろうと重いながらもリディアは読み聞かせをしているのですが、「何の話かわかった?」という問いに対するアリスの答えは、涙なしでは見れないシーンでした。
いつ、誰もがかかる可能性のある病気だからこそ、自分が、家族がアルツハイマーになったら、と考えずにはいられませんでした。
映画を見終わってすぐ母親に電話をしてしまった。
家族と離れて暮らしている人には猛烈におすすめできる一作。私はこの映画を見終わってすぐ母親に電話しました。いざというときに頼れる家族の存在の大きさを改めて感じてしまいました。家族が愛おしくなる映画です。
また、難病モノの鉄板で泣ける映画ですので、泣きたい映画を見たい方にもおすすめです。
≫ 『アリスのままで』をAmazonプライムビデオで見る(199円)
画像出典: IMDb “Still Alice”
あやのこうじ
最新記事 by あやのこうじ (全て見る)
- 『アイ,トーニャ』の感想。羅生門スタイルで進む物語。真実を語っているのは誰? - 2019年5月24日
- 『15時17分、パリ行き』の感想。オランド大統領まで本人!?イーストウッド監督、実話映画の究極は本人登場! - 2019年4月25日
- 『リメンバーミー』の感想。メキシコのオフレンダ?アレブリヘ?音楽も必聴ですよ! - 2019年4月10日
- 『アリスのままで』の感想。映画を見終わってすぐ母親に電話をしてしまった(泣) - 2019年3月22日