今回は、「アメリカ流れ者」で町山智浩さんが2015年5月19日に紹介されていた『ピッチ・パーフェクト』の感想です。
大学のアカペラグループに加入した女の子の奮闘を描くミュージカルコメディ映画です。
女の子同士で切磋琢磨する映画ですが、思ったよりだいぶコメディ要素が強いので男女問わず楽しめること間違いなしです!
目次
『ピッチ・パーフェクト』あらすじ・出演者情報
あらすじ
パソコンで音楽を作ることが趣味のベッカは、音楽プロデューサーになることを夢見ていました。
しかし父親に進学を勧められ、仕方なく父が教授を務めるバージニア大学に入学します。寮のルームメイトとも親しくなれず退屈な大学生活を送るベッカにとって唯一の楽しみは、校内ラジオ局でのディスク整理の仕事でした。
そんなある日、シャワールームでたまたまベッカの歌声を耳にしたクロエに、女性アカペラグループ「バーデン・ベラーズ」のメンバーへの加入を勧められます。
登場人物
オーブリー – アンナ・キャンプ
クロエ – ブリタニー・スノウ
ファット・エイミー – レベル・ウィルソン
ステイシー – アレクシス・ナップ
シンシア – エスター・ディーン
リリー – ハナ・メイ・リー
本作では配役を決める際に俳優オーディションを行ったそうで、歌唱力で俳優が選ばれています。なので、本当に歌が上手い人が集まっています!
主演のアナ・ケンドリックは『マイレージ、マイライフ』や『50/50 フィフティ・フィフティ』などにも出演している俳優さんです。
ファット・エイミーを演じたレベル・ウィルソンはコメディアンの方で、自分のセリフのギャグは自分で考えているんだそうです!
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『ピッチ・パーフェクト』町山さん解説。当初は日本未公開。Youtubeで広がったカップ遊び
本作は2012年にアメリカで公開されましたが、日本では当初は公開は見送られました。
その後本作の続編である『ピッチ・パーフェクト2』が、一作目以上にアメリカで大ヒットしたので、それに合わせて日本でも2015年に公開されることになりました。
町山さんによれば、以前執筆した『ワールズエンド 酔っぱらいが世界を救う!』でも触れましたが、やはり日本ではアメリカのコメディ映画をあまり上映したがらない風潮があるようです。
日本では基本的に大ヒットが望めないと思われているようですね。
そうはいっても『テッド』のように大当たりすることもあるのであまり見限らないで!と町山さんもおっしゃっていました。
Youtubeで広がったカップ遊び。日本のドラマでも。
本作は映画自体は日本未公開だったにも関わらず、あるワンシーンがYoutubeで広がりました。
そのシーンは、ベッカがカップを叩いたり裏返したりしながらアカペラで歌うというシーンです。
カップをパーカッションのように使うこの遊びは日本では真木よう子出演のドラマでも登場し、中高生の間で流行しました。インターネット時代ならではの現象ですね。
以降ネタバレ含みます!未鑑賞の方お気をつけください。
『ピッチ・パーフェクト』楽器一切なしのアカペラシーンがすごい!
アカペラグループの大会に出場することになるのですが、そこで繰り広げられるパフォーマンスがすごいです。
アカペラの大会なのでもちろんバック演奏は一切なし。
ベースラインやパーカッションも、ボイスパーカッションなどを駆使して全て声で表現しています!
低い音域から高い音域まで様々なパートを振り分けているので、本当にこれアカペラ?!というくらいの厚みのある演奏になっています。
ライバルの男性アカペラグループの「トレブルメーカー」はさらに激しいダンスをしながら歌うので見ていて楽しいです。
ラップバトルのようなアカペラバトル
さらに学内でもアカペラバトルが繰り広げられます。
出されたお題に沿って即興でアカペラで歌うという、ラップバトルのような感じです。
例えば「80年代の女性シンガーの歌」というお題だと、思いついたチームから好きに初めて歌うのですが、お題からはずれた曲を歌ってしまうとアウト。
いかに音楽を知っているかということと、即興でメンバーに合わせるチームワークが問われます。実際にアメリカではこういったアカペラバトルのコンテストもあるようです。
普段アカペラソングを聞くことがあまりないので、人間の声ってこんなにすごいんだ!と感動しました!
『ピッチ・パーフェクト』下品さが魅力?容赦のないナンセンスギャグが満載
ここまで聞くとすごく女の子の青春映画という感じなのですが、清楚な朝ドラ的な映画ではありません。
というのもこの映画、かなり品が無いコメディなんです。個人的にはそこも楽しめましたが。笑
リーダーをつとめるオーブリーが、緊張のあまり舞台でものすごい量のゲロを吐いてしまうというシーンからこの映画ははじまります。
いきなり女性が大量のゲロを吐く映画って…。
その後もちょこちょこゲロネタが出てきます。
登場人物のほとんどがすごい口が悪くて、下ネタもちょっと多めなので好き嫌いが別れるかもしれませんが、私はアメリカっぽくていいなーと終始楽しく鑑賞できました。
それこそ『テッド』が面白かった人は楽しめるはずです!
『ピッチ・パーフェクト』音楽にだって多様性が必要、自分は自分のままでいい
ベッカが加入した「バーデン・ベラーズ」は伝統のあるアカペラグループなので、リーダーのオーブリーはその伝統を守ろうとお堅い曲ばかり演奏しようとします。
またチームをまとめようと必死になりすぎて、ペースを乱すベッカを邪険に扱ってしまいます。
チームはなかなかまとまらず、みんなバラバラのままで大会の審査員にも退屈がられてしまいます。
厳しすぎるオーブリーに対してついにみんなの不満が爆発し、オーブリーはまたゲロを吐き、大混乱の末にベッカが曲のアレンジを担当することになります。
もともとキャラクターがバラバラのメンバーを、無理やりまとめようとしたオーブリーですが、ベッカは逆にバラバラの個性を活かすことを考えました。
そんなそれぞれの個性が生かされたクライマックスシーンの演奏は本当に感動的でした。
力強い野太い歌声を生かしてファット・エイミーがソロパートを担当し、黒人の女の子のシンシアに低音のラップを任せ、ダンスもみんなそれぞれが主役になれるようなアレンジになっていました。
もともと「ベラーズ」は細身で容姿端麗な白人女性ばかりのグループでしたがそのせいで低い音域を歌える人物がいませんでした。
しかし新加入したメンバーは全員バラバラの個性を持っていたため様々な声質、音域を取り入れることができたのです。
同じような人ばかりのチームより、色々な人がいるチームの方がパフォーマンスの幅も広がるということですね。
多様性を肯定するストーリーは素晴らしいと思いました。
『ピッチ・パーフェクト』冷笑系な主人公が自分の殻をやぶるクライマックス
主人公のベッカは少し他人と関わるのが苦手な子で、大学なんてつまらない、早く音楽制作に集中したいという感じです。
一人が好きなわけではなく楽だから一人を選んでしまう、というベッカの言葉に私はすごく共感してしまいました。
人といるのって疲れますよね。
そんな彼女ですが、個性豊かなメンバーたちに出会って次第に変化していきます。
痩せてる女に影でこそこそ言われないために自分から「太ったエイミー」と名乗るツワモノのファット・エイミー、堂々とレズビアンだとカミングアウトするシンシア、セックス依存ぎみのステイシー、ずっと奇妙なことを話しているマイペースなリリー、そして見た目や性格ではなく純粋に歌声を見て自分をスカウトしてくれたクロエ。
個性を隠さず自分をさらけ出し続けるメンバーを見ていると、変に取り繕う必要なんてないんだと気づきます。
自分が自分らしくいられる環境って素敵だなと感じました。
『ピッチ・パーフェクト』パワフルな女の子たちの奮闘物語!
女の子はこうあるべきだという定説から解き放たれた作品です。
女性だって低音も出せるし、女性だけのアカペラグループだってすごいんだ!という前向きなメッセージが込められています。
ちょっと下ネタも多いですが、エネルギッシュなドタバタコメディですので元気な気持ちになりたい人にオススメの一作です!
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※情報変更はご容赦ください。
『ピッチ・パーフェクト』続編
画像出典:IMDb “Pitch Perfect”
浜村満果
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