今、メキシコ人映画監督が凄い!キュアロン、イニャリトゥ、デルトロ!

近年アカデミー賞ではメキシコ人監督の作品が多くノミネートされています。第90回アカデミー賞ではギレルモ・デル・トロ監督作品『シェイプ・オブ・ウォーター』が作品賞など4つの部門を受賞するなど快挙を成し遂げました。

今回は、今注目すべきメキシコ人監督3人、

  • アルフォンソ・キュアロン
  • アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
  • ギレルモ・デル・トロ

についてご紹介していきたいと思います。

 

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メキシコ人監督がすごい! | アルフォンソ・キュアロン

特徴は何と言っても重厚な映像美です。メキシコ国立自治大学で映画と哲学を学び、テレビ局で働く中で映画を制作していくようになったようです。そういった経歴のせいか、作品ごとに結構色が違っていてどの作品にもそれぞれ独自の個性があります。

天国の口、終りの楽園。(2001年)

高校を卒業したフリオとテノッチはそれぞれの彼女がバカンスに出かけていたため寂しさを感じていました。そんな中美しいスペイン女性ルイサと出会い、ひょんなことから3人で旅に出る事になります。

青春というか、性春ロードムービーという感じです。思春期の男の子たちが大人の女性とふれあい時にセックスし、美しいメキシコの夏を駆け抜けていくという、なんともまぶしい若さの塊のような映画です。

ヴェネツィア国際映画祭最優秀脚本賞・マルチェロ・マストロヤンニ賞

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人(2004年)

ハリーはヴォルデモートの手先であるシリウス・ブラックが、アズカバンを脱獄し自分の命を狙っているという噂を耳にします。

このくらいからハリー・ポッターシリーズがグッとシリアスになったイメージがあります。それ以前の2作品と比べて少し大人向けになったように感じます。人物の関係性がより複雑に絡み合い、ファンタジーとしてだけでなくヒューマンドラマとしても見応えのある一作ではないでしょうか。

ダンブルドア役のリチャード・ハリスが急死してしまったため、本作以降ダンブルドアはマイケル・ガンボンが演じています。

アカデミー賞作曲賞・視覚効果賞ノミネート、他

ゼロ・グラビティ(2013年)

医療技師のライアン・ストーン博士は指揮官のマット・コワルスキーとシャリフとともに宇宙に旅立ちます。しかし宇宙船外での活動中に船体に宇宙ゴミが激突し、命の危機に瀕していきます。

迫力ある宇宙の映像は見ていて本当にハラハラします。一貫して画面に緊張感があり、見ている方も没頭してしまう作品です。

クエンティン・タランティーノやスティーブン・スピルバーグが大絶賛したことでも話題となりました。

アカデミー賞監督賞・作曲賞など8部門を受賞、他

≫ 『ゼロ・グラビティ』の感想・レビューはこちら

ROMA/ローマ(2018年)

舞台は1970年代のメキシコシティ、ローマ地区。裕福な白人の一家のもとで、家政婦として働く若いメキシコ人女性・クレオの身におこる様々な出来事を描いた作品です。

人種や性別による格差や突然の妊娠など、若いクレオにふりかかる様々な残酷な運命が描かれます。どうすることもできない時代の流れに翻弄されていくクレオですが、そんな現実の中にもわずかな希望を見出していきます。

キュアロンの自伝的な物語で、クレオはキュアロンが幼少期に面倒を見てもらったお世話がかりの女性がモデルとなっています。

NETFLIXオリジナル映画でありながらアカデミー賞最多ノミネートという、今後の映画界を占う作品になりました。

アカデミー賞監督賞、ゴールデングローブ賞最優秀監督賞、他

≫ 『ROMA/ローマ』感想・レビューはこちら

メキシコ人監督がすごい! | アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

つかみどころがないように見えて、強烈なメッセージ・コンセプトを抱えた作品を多く制作する鬼才です。どの作品も俳優の存在感が際立っており、俳優一人一人の個性を巧みに引き出すことのできる監督です。

アモーレス・ペロス(2000年)

メキシコにすむ青年オクタビアには強盗で生計を立てる兄ラミロがいました。ラミロの妻であるスサナに恋をします。オクタビアはスサナとともに逃亡をはかりますがスサナは応じようとしません。

メキシコを舞台とした3つの物語が同時進行で描かれます。一見交わりのない3つの物語がある点で交差しています。愛について描かれたオムニバス的な作品です。

英国アカデミー賞外国語作品賞、他

バベル(2006年)

モロッコに住むアーメッドとユセフの兄弟はジャッカルの駆除用に手に入れた銃を観光バスに向けて発砲してしまいます。弾はアメリカ人観光客に直撃してしまい、警察は犯人探しをはじめます。

国を超えた4つの視点から描かれる斬新な作品です。登場人物それぞれの大切にしていることや信じたいもの、欲求、考え方が違うからこそすれ違っていく悲劇のようなものを感じます。人によって感じるものが違ってくるような作品なので、鑑賞後はいろんな人と意見交換をしたくなりました。

菊地凛子が米映画批評会議賞新人女優賞を受賞した作品です。異性からの愛を求めるろう者の女子高生という難しい役所を見事に演じています。

カンヌ国際映画祭監督賞、アカデミー賞作曲賞、他

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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年)

ハリウッド俳優として一世を風靡したリーガンでしたが今ではすっかり落ち目の中年。自身が監督脚本を務めるブロードウェイのプレビュー公演を控える中で、自らを嘲るもう1人の自分の心の声に悩まされていました。

説明的な部分が一切なく、一見わかりにくい作品ですが、現実のような妄想のようなその曖昧な世界観はかなり新鮮です。セリフの一つ一つにもこだわりが感じられ、アーティストとしての才能を見出そうとするリーガンの心の詩をそのまま演出に落とし込むような文学的な作品でもあります。

メインストーリー部分をワンカットで表現するという、映像技術としても挑戦的なことをしています。

痛烈なハリウッド批判のメッセージが込められているため、アカデミー賞受賞は難しいいと言われていた本作ですが、なんと作品賞をはじめ4部門を受賞するという驚きの結果となりました。

アカデミー賞作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞、他

レヴェナント: 蘇えりし者(2015年)

アメリカ北西部の極寒地帯で毛皮の調達をしていたグラスは原住民の妻との間に授かった息子ホークとともに、ガイドの仕事をしていました。ある日熊に襲われ瀕死状態のグラスの目の前で毛皮会社の人間に息子を殺されてしまいます。

壮大な自然の厳しさ、先住民族との複雑な関係性など、長回し気味のカメラワークが極寒地帯で生活することの厳しさを増長させます。当時はそこまで毛皮が高価なものだったということでしょう。復讐に燃えるタフすぎる男グラスを演じたレオナルド・ディカプリオは、本当に体を張りすぎていて心配になるくらいでした。

ロケは極地で行われ、実際に生肉を食べたり、動物の死骸の中で眠ったりとかなり過酷なものだったようです…。アカデミー協会に嫌われていた疑惑の(?)ディカプリオの悲願のアカデミー賞作品となりました。

音楽には坂本龍一が参加しています。

アカデミー賞監督賞・主演男優賞・撮影賞、他

≫ おすすめディカプリオ出演映画まとめ

メキシコ人監督がすごい! | ギレルモ・デル・トロ

リアルとファンタジーを融合させた世界観が特徴的です。CGを駆使した作品も多く、迫力のある画面作りが視聴者を惹きつけます。日本のアニメや特撮にも影響を受けているようです。

パンズ・ラビリンス(2006年)

おとぎ話の世界に憧れを抱くオフェリアは母親の再婚相手である大尉の屋敷で妖精に出会う。妖精に導かれ地下王宮の入り口に向かうと、オフェリアはその王国の姫だと知らされる。

パッケージからは想像できないかなりダークなファンタジーです。独特のキャラクター造形や、グロテスクだけど品のある描写がたまりません。一度ハマったら抜け出せなくなる世界観です。

スペイン内戦時代を舞台とした本作ですが、デル・トロ監督作品の『デビルズ・バックボーン』も同じ時代背景の作品です。

アカデミー賞撮影賞・美術賞・メイクアップ賞受賞、ヒューゴー賞長編映像部門など67もの賞を受賞

パシフィック・リム(2013年)

巨大な怪獣が次々と現れ世界は脅威にさらされてしまいます。兵士2人がペアとなって、巨大ロボットを操縦して怪獣に立ち向かって行きます。

迫力満点のロボットアクションは特撮好きにはたまらないですよね。個人的には怪獣を取り巻く裏社会の描写が面白かったです。闇商人のボスが怪獣の臓器を闇市で売りさばいていたりと、怪獣社会にリアリティを持たせる描写が印象的です。

押井守監督の『機動警察パトレイバー』に多大な影響を受けていて、いろんなところにその片鱗が見受けられるようです。

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年)

舞台は1960年代のアメリカ。幼少期のトラウマが原因で声を出すことができないイライザは、勤務先の研究室で不思議な生き物を見かけ心を奪われます。やがて彼が実験対象となることを知り彼を出させようとします。

ファンタジー作品に見えて実は現代の人種、性差別などの問題に立ち向かうようなストーリーです。世間からマイノリティとされてしまっているもの同士の恋愛だって、普通とされている人々となんら変わりはありません。愛の美しさを描き切った作品です。

ファンタジーといえども暴力描写や性的な描写が多いところももはやデル・トロの持ち味かもしれません。

アカデミー賞作品賞・監督賞・美術賞・作曲賞、ゴールデングローブ賞、他

≫ 『シェイプ・オブ・ウォーター』感想・レビュー

おわりに

いかがでしたでしょうか。メキシコ人監督と一口に言ってもその製作スタイルは三者三様で、それぞれ違った個性を持った監督たちでしたね。

今後も、個性あふれるメキシコ人監督が現れることも期待できそうです。

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