『アイ,トーニャ』の感想。羅生門スタイルで進む物語。真実を語っているのは誰?

こんにちは!今日は町山智浩さんが2017年12月19日放送のTBSラジオ「たまむすび」で紹介していた「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」を紹介します。

ライバル選手を襲撃した容疑がかけられたフィギアスケート選手トーニャ・ハーディング選手の物語です。

羅生門スタイル」とは一体どういうことなのか?紹介していきます。

 

『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』あらすじ・出演者

出演者

トーニャ・ハーディング – マーゴット・ロビー
ジェフ・ギルーリー – セバスチャン・スタン
ラヴォナ・ゴールデン – アリソン・ジャネイ
ダイアン・ローリンソン – ジュリアンヌ・ニコルソン
ナンシー・ケリガン – ケイトリン・カーヴァー

あらすじ

アメリカ人としてはじめてトリプルアクセルを跳んだフィギアスケートのトーニャ・ハーディング選手。
彼女は、リレハンメルオリンピックの出場権をめぐって、ライバル選手のナンシー・ケリガン選手を試合に出られなくするために襲撃し怪我をさせた疑いが持たれていました。

トーニャの幼少期からの生い立ちを振り返りつつ、トーニャはナンシー・ケリガン選手襲撃の黒幕だったのか、に迫ります。

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『アイ,トーニャ』町山さん解説。「羅生門スタイル」で進む物語・・・本当は誰が悪いのか?

突然、トーニャや彼女の旦那・ジェフの独白が始まったときはびっくりしましたが、これは町山さんによると、「羅生門スタイル」、なんと英語でも「Rashomon-Style」と言うそう。

黒澤明監督の「羅生門」での手法から名づけられているそうで、関係者の証言をそれぞれ流して、誰が本当のことを言っているのか、まさに見ている側にゆだねられています。

「証言者の意見が食い違う状況を「Rashomon」という」、と町山さんが説明していましたが、日本の言葉がそのまま世界で通じるっておもしろいな、と思いました。

映画は登場人物による独白のシーンと再現ドラマのようなシーンを繰り返しながらすすんでいきます。

誰が本当は黒幕だったのか、はらはらしながら見ました。

『アイ,トーニャ』主演の美女マーゴット・ロビーの凄まじい演技に注目!

私は初めてマーゴット・ロビーを見たとき、またとてつもなく美しい女優が現れたな、と思いました。

彼女はディカプリオの映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』で注目されました(レビューはこちら)。そして『スーサイド・スクワッド』のハーレイクイン役に大抜擢!

マーゴット・ロビー自身がプロデューサーとして参加

そんな彼女、今回はすさまじい演技を見せています。

町山さんが、この映画では彼女は「自分の演技力を見せるために」、自身がプロデューサーになり製作に参加している、と言っていましたが、町山さんのいうとおり、彼女の演技力をまざまざと見せつけられる映画でもありました。

貧しい幼少時代に、母親から愛されずに育ち、スケートだけするように強要されたり、DV夫に殴られてぼろぼろになっている姿だったり、見ていてとても痛々しい姿もありました。

フィギアスケートのシーンは躍動感と力強さもあって、思わず見入ってしまいました。

【ネタバレ注意】『アイ,トーニャ』悲劇はいつから始まっていた?

子ども時代のトーニャは森の中に住んで、うさぎを捕まえます。そしてそのウサギの皮でベストを自作するほど、貧しい生活をしていました。

大好きな父親はトーニャが追いすがる中、家を出て行ってしまい、トーニャをスケート選手にするべく命をかけている母親に、時には暴力を受けながら育てられるのです。

その様子はとても痛々しくて、思わずトーニャに同情せずにはいられないほどでした。

また結婚しても、夫からDVを受けたり、スケートをするためにウェイトレスのアルバイトをしながら生活したり、苦労しながら生活している様子を見ると、なんだかかわいそうに感じてしまいました。

『アイ,トーニャ』証言者のミステリー×マーゴット・ロビーの演技力

私はフィギアスケートが大好きなので、映画のワンシーンとはいえ演技を見ることができてとても楽しめました。
町山さんも話していましたが、カメラワークがとても近く、ダイナミックで、そのシーンだけ何度も見返してしまうほどでした。
「羅生門スタイル」という証言者によるミステリーの一方、マーゴット・ロビーの演技にも魅了される作品でした。

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マーゴット・ロビー出演作品

画像出典:IMDb “I, Tonya”, “Suicide Squad”