『ファーストマン』の感想。60年代の映像再現!でもこれ女性激怒映画かも…。

今回は、町山さんが2019年1月29日に紹介された映画『ファーストマン』の感想です。人類初の月面着陸を成し遂げた、ニール・アームストロング船長の物語です。

映画『セッション』で旋風を巻き起こし、『ラ・ラ・ランド』で世界中で話題になったデイミアン・チャゼル監督の最新作ということですごく楽しみでした。初日に見てきました!

『ファーストマン』はその映像もさることながら、女性(妻)激怒映画かもしれないという点で書いていきたいと思います。(でも、本当はちがうんです!)

 

映画『ファーストマン』のあらすじ

  • ニール・アームストロング – ライアン・ゴズリング
  • ジャネット・アームストロング – クレア・フォイ

娘の死をきっかけに、パイロットからNASAのジェミニ計画へ応募を決めるアームストロング。ジェミニ8号の船長に抜擢され、のちにアポロ11号の船長に。彼と仲間たち、そして家族との関係が描かれます。

客観的な歴史の再現映像としてではなく、アームストロング視点で語られるのが特徴的です。宇宙船内や地球や月はどう見えたのか?妻や子供たちとの関係は?

歴史の人、アームストロング船長の見た世界を疑似体験できる映画です。

デイミアン・チャゼル監督の映画作りのこだわりに歓喜!

私は、町山さんの『ファーストマン』の紹介に歓喜してしまい、初日に見ようと決めました。それは、デイミアン・チャゼル監督の映画作りへのこだわりです。

1960年代の映像を再現するということで、アナログであることにこだわっています。

  • アナログフィルムでの撮影
  • 地球のシーンは16ミリフィルム、月のシーンは70ミリフィルム
  • 宇宙船打ち上げシーンは特撮
  • 宇宙船のシーンはバックにLEDスクリーンに映像を流して撮影(合成なし)
  • 使われる音楽もアナログ録音

めちゃくちゃどんな映像か気になりませんか?

また、監修はアームストロング船長の実の息子が行ったとのことです。ちなみに、字幕監修には毛利衛さんの名前がありました。

映画『ファーストマン』の寄りの映像の臨場感

最近寄りの映像を多用した映画が多くあるような気がします。

「レヴェナント:蘇えりし者」のディカプリオのどアップとか、「サウルの息子」とか「アリー/スター誕生」とか。(未見のものもありますが)

今回の『ファーストマン』もそうです。

アームストロング船長役のライアン・ゴズリングにものすごく寄った映像なんです。

超主観なんですよね。なので、物静かなアームストロング船長ですが、そんなに語らせなくとも見てる側にはすごく感情が伝わってくるんです。

宇宙船打ち上げシーンでは、その寄りの映像で、宇宙船内の様子がネジまで見えるくらいなので、本当に臨場感が伝わってきます。

映画『ファーストマン』と残された宇宙飛行士の妻たちの思い

月面着陸までの訓練中に何人もの飛行士が事故死をしたということを知っている人も多いのではないでしょうか?

NASAの試験に受かり、アームストロングを始め宇宙飛行士の家族は好待遇となります。家族同士でバーベキューをしたり、プールで遊んだりと、幸せを謳歌します。

しかし、事故でほかの家の夫がひとり亡くなり、また亡くなり・・・。

奥さんたちは好待遇に喜んでばかりではいられなくなってきます。

ついに激怒「模型遊びに熱中する男の子と同じよ!!」

ジェミニ計画、宇宙空間でのドッキングの使命を任されたアームストロング。

映画によると、宇宙船と管制室とのやりとりを、家族も聞けるようになっていたようです。アームストロング船長の妻ジャネットは、ラジオのように聞こえるそのやりとりを部屋で聞いて夫を案じています。

ところが、トラブルが起きると、管制室は家族への通信を遮断しました。

心配になり、ジャネットは直接NASAに押しかけます。

夫の仲間に「ニールは大丈夫だ」と知らされるのですが、心が穏やかではないジャネットはついに彼らに言うのです。

あなたたちのやっていることは、模型遊びに熱中する男の子と同じよ!!

(こんな内容のことを)

これが、この映画のすべてを表してるような気がしました。

この映画だけではなく、男女の溝というか。なぜ平穏な生活をおくるだけでは、男は満足しないのかという。

言葉にふと、女性(妻)の視点に気づくのです。

アームストロング船長は夢にまっしぐらな男の子

観客としては、男たちがやっていることが果たして必要なのかと疑問が沸き上がってきます。ソ連に負けじと競争する宇宙開発っていったい生活に必要なのかと・・・。仲間が死んでもやめない男っていったい・・。

しかも、この男のやっていることが大事だと、映画ではケネディ大統領に言わせるんです!

「なぜ私たちは世界最高峰の登頂をめざし、戦争に勝つことを目指し、月面着陸を目指すのか」

みたいなことを。

物静かなアームストロング船長が、夢にまっしぐらな男の子に見えてきます。

映画『ファーストマン』の女性置いてけぼりは、チャゼル監督自身?

町山さんは、映画『ファントムスレッド』は映画作りに熱中して家族をないがしろにするポールトーマスアンダーソン監督自身をネタにしていると言っていましたが、この『ファーストマン』もデイミアン・チャゼル監督自身なのでは??と思ってしまいました。

わざわざアナログにこだわって大変な撮影をして(実生活をないがしろにして?)、妻をないがしろにするストーリーって・・・。

そして、それを肯定するようなことをケネディ大統領に演説させて・・・笑

女性からしたら「いったい何を見せられているんだ?」かもしれません笑

これは女性(妻・奥さん・恋人)激怒映画かもしれません。(男性視点だと大興奮映画ですが・・・)

でも、伝わらないかもしれないけど、本当に本当に家族や恋人のことを想ってはいるんです。ちゃんと『ファーストマン』の中で描いています。

 

アームストロング船長の功績を、キラキラした目で見る女性たち。

映画『ファーストマン』の「女性激怒」部分を書いてきました。

でも、もしも女性が本当に「夢を追う男の子」を忌み嫌うとしたら、男はそんなことはしないと思うんです。だって、女性に好かれたいという気持ちはかなり大きなものですから。

デイミアン・チャゼル監督は、妻ジャネットを男に激怒する女性の代表のように描きながら、最後に「本当は違うんでしょ?」を持ってきます。

月面着陸成功のあと、おそらく当時の映像だと思う映像が流れるんです。そこに写っているのは、アームストロング船長の功績に目をキラキラと輝かせている女性たち。感激した声でインタビューに答える女性も。

だから、男は競争するし、夢にまっしぐらになるんです。そんなチャゼル監督の女性への想いを描いた映画に見えました。

男女の距離は地球と月ほどあるのか?ぜひ映画を見てたしかめてください!

デイミアン・チャゼル監督作品

画像出典:IMDb “First Man”

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Cody

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このブログの運営者です。主に町山さんがラジオで紹介した映画を見てる、ラジオ好き兼映画好きです。ゲームオブスローンズは有吉さんのラジオの影響ではまってしまいました。