『ゼロ・グラビティ』ネタバレ感想。NASA飛行士も認める無重力空間再現!90分間の疑似体験!

今回は、映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』で紹介した映画「ゼロ・グラビティ」を紹介していきます。

90分間の無重力体験!

無重力空間再現のリアルさは、今までの映画にないほどで、実際の宇宙飛行士が認めるほどとのことですよ。

では紹介していきます。

 

『ゼロ・グラビティ』あらすじ・出演者情報

あらすじ

映画のはじまりから、登場人物たちはすでに宇宙空間にいます。

主人公のライアン・ストーンは、自身の開発した医療品がNASAに採用されたため、その設置に際してスペースミッションに初めて参加することになりました。乗組員たちはそれぞれ宇宙空間にて作業を行いながら、軽口を叩いたりして、穏やかで静かな時間を過ごしています。

そんな時、突然無線通信で連絡が入り、ライアンたちに緊急避難を呼びかけます。ロシアが自らの人工衛星を爆破したことにより、他の人工衛星も巻き込まれて破壊が連鎖し、その衝突一帯が近づいてきているということでした。

急いで逃げようとするも、予想より衝突が早く、ライアンは命こそ失わなかったものの、身一つで宇宙空間に飛ばされてしまうのでした。

徐々にシャトルから離れていくのを、なすすべなく受け入れるしかないライアンでしたが…。

監督・出演者

〈監督〉
アルフォンソ・キュアロン
〈キャスト〉
ライアン・ストーン:サンドラ・ブロック

アルフォンソ・キュアロン監督は「今、メキシコ人監督がすごい!」でも紹介しています。

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『ゼロ・グラビティ』町山さんの解説。無重力の状況を徹底的に再現した、前代未聞の映画

宇宙には重力がない、という事実は多くの人が知っていることですが、実際に生活にどのような不便があるか、あまり想像したことがないですよね。

宇宙船の中で自由に動き回る宇宙飛行士たちの映像や、多くの宇宙映画の中でも、宇宙船内で手や足を使って移動していく様子は描かれています。

なんだか普通の移動より、コツを掴めばラク?かと思いきや、本物の宇宙飛行士たちは、指先やつま先の繊細な力加減で、ゆっくりと身体を動かしているそうです。

よく映画では、壁などを思い切り押して身体を方向転換させるシーンがありますが、実際にあのような力をかけると、そのまま進む方向へ激突しかねないほど、抵抗のない世界なんです。

無重力空間をリアルに再現した映画と、再現しきれなかった映画

ゼロ・グラビティ撮影の様子

町山さんも、映画紹介の中で重力に関して語っていますが、これまで、無重力を忠実に描いた映画はほとんどないそうです。

映画『2001年宇宙の旅』(遠い未来とされた日も、今となれば20年近くむかしのことなんですね)にて初めて、無音で酸素のない、本当に無重力である宇宙という空間がリアルに描かれたそうです。

また『アポロ13』も、かなり撮影に時間と手間がかけられた作品の一つだとか。

逆に、惜しい場面で無重力を表現しきれていなかった映画としては、『宇宙戦艦ヤマト』や、『スターウォーズ』シリーズ、『エイリアン』シリーズなどがあるとのことでした。

観ていても全く気がつかなかったわたしです。

ゼロ・グラビティでは、こうした名だたる映画たちを差し置いて、最も忠実に無重力を再現した映画であると、町山さんは絶賛しています。

以下ネタバレを含みますのでご注意ください!

『ゼロ・グラビティ』ワンカットの13分間。宇宙に放り出されたライアン、冷静さを取り戻すまでの時間に息を飲む

町山さんによると、映画の冒頭13分はワンカットだそうなので、登場人物たちの会話を近くで一緒に聞いているような、自分の時間と共に進んでいくリアルな感覚があります。

そのシーンの最後でライアンは、飛んできた人工衛星の破片たちに襲撃され、宇宙に放り投げられてしまいます。

宇宙は無重力ですから、その場にとどまっていられず、飛ばされたエネルギーを抱えたままクルクルと回転し続けるしかないライアン。

気が動転して、無線通信にも冷静に反応できないライアンとは裏腹に、彼女が被っている宇宙服のヘルメットが美しい地球の様子を写し出し、とても神秘的です。

現在位置を把握して伝えよと指示を送る他のクルーの声かけに、徐々に落ち着きを取り戻すライアン。

彼女が混乱し冷静になっていく様子が、短い時間ではありますがこちらもワンカットで、観ている側にも安心を与えてくれます。

抵抗できずに宇宙のどことも知れぬ孤独へ進んでいる自身を目の当たりにし、実際は叫び出したいほどの恐怖に包まれている状況。

しかし周囲の美しい情景が、ふとその鬼気迫る状況を和らげてくれている不思議なシーンです。

『ゼロ・グラビティ』NASAアポロ11号宇宙飛行士も認める。無重力の描写が、言葉も出ないほどに美しくリアル。

ロシアが自国の人工衛星を宇宙空間で破壊したことで、ほかの人工衛星も巻き添えを食らって破壊されていく連鎖が起き、ライアンたち一行は思わぬ危機的状況に追い込まれてしまいます。

その後映画の中では何度か破片が到来するのですが、その度に、本当に宇宙で物がスピードを失わずにぶつかると、実際も宇宙ではこうした粉砕や浮遊が起こるのだろうなと、とてもリアルな映像であることが想像できます。

まるで機材のカケラが自分に飛んでくるようで、その場にいる感覚を体験できるシーンが満載です。

撮影監督のエマニュエル・ルベツキはこの作品でアカデミー賞撮影賞を受賞しました。

また、NASAアポロ11号の実際の乗組員であったバズ・オルドリンは、映画ゼログラビティの描写が、現実の宇宙空間にかなり近いものであるとし賞賛したそうです。

本当の宇宙空間を体験した人物からもこうした評価を受けるとは、かなり忠実に再現して作られた作品だということがわかりますね。

『ゼロ・グラビティ』この地球に生まれ、生きることの奇跡

宇宙空間で四苦八苦するライアンをみていると、自分がどれだけ奇跡的な状況に生を受けているのか、ということを改めて考えさせられました。

人間が生きることのできるたった一つの星・地球のことを、私たちはよく世界と呼んでいますね。

しかし一度宇宙の存在を認識し、知ってしまうと、その先に何があるのか知りたくなります。

自分が今いる場所は果たしてどこなのか?もっと広い世界があるはずだと、研究は続けられています。しかし自分たちの性質に合った星に生まれ、文化的な活動ができていることは、本当は他の星を見つけることより数百倍、確率の低いことではないでしょうか。

ライアンは絶体絶命の状況に追い込まれても、最後まで地球に帰ることを誓い続けます。そんなに愛すべき場所、こんなにも快適に生きていける場所があるのに、人間の欲望は尽きることがありません。

まだ他にも代替品があると思うからなのか、人間の性なのか、次から次へと資源を消費し、地球をボロボロにしていきますね。私もその一員であるということを、忘れません。

この映画を見ると、新しく移住する星を見つけて暮らすことのなんとおこがましいことかと考えさせられます。そしてそれはかなり難しいことなのではないかと、素人考えに思ってしまうのです。

『ゼロ・グラビティ』90分間の無重力疑似体験!生きることを諦めない心に感動の嵐

この映画、ぜひ3Dでみることを町山さんもオススメしています。私も、できれば3Dで観たかった!

飛んでくる物質や、人間が宇宙空間でコントロールを失う様子、体験したことのない無重力を、リアルに感じられる映像が満載の作品です。

90分と短い映画の中で、必死に生きようとするライアンの運命に涙します。光と音の存在感も大切にしている作品ですので、静かな落ち着ける空間で観るとより楽しめます。宇宙からの脱出だけではなく、今私たちが存在する地球への想いも、再確認できました。

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今、メキシコ人監督がすごい!

画像出典:IMDb “Gravity”

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