インド映画『マダム・イン・ニューヨーク』の感想。英会話初心者なら共感すること間違いなし!

今回は『マダム・イン・ニューヨーク』の感想です。インド映画といえばこの作品を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。

こちらの作品は、「女性の地位向上をテーマにしたインド映画6選」でもピックアップしてますので合わせてご覧ください。

では、早速どんな作品なのかご紹介させていただきます。

 

インド映画『マダム・イン・ニューヨーク』あらすじ・出演者情報

あらすじ

家庭的な主婦であるシャシは家族の中で自分だけ英語がわからないため、娘たちにバカにされていました。ある日姪の結婚式の手伝いをするため、単身でニューヨークに出向き、そこで家族に内緒で英語の勉強を始めます。

登場人物

シャシ – シュリデヴ
ローラン – メーディ・ネブー
ラーダ – プリヤ・アーナンド
サティシュ – アディル・フセイン

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以降ネタバレ含みます!お気をつけください!

インドで英語は準公用語。教育機会に恵まれない女性。

イギリスの植民地だったインドでは、英語は準公用語となっています。アジアの中では最も歴史の古い英語です。また、多民族国家であるインドでは多言語が存在するので、英語が共通言語の役割を果たしている側面もあります。

しかしインドの人なら誰しもが英語を話すことができるというわけではありません。教育の機会に恵まれなかった人々はヒンディー語しか話せない場合もしばしばです。特に女性の場合、働く機会がなく家庭に縛られることが多いので仕事の中で英語を学ぶという機会もなく、英語を話せない人が多いようです。主人公のシャシもまさにそういった女性の一人です。

インド映画『マダム・イン・ニューヨーク』カフェで英語での注文にパニック!

ニューヨークを訪れたシャシがカフェで注文をするシーンがありました。
なんとか英語で注文しようとしますが、言葉がなかなか伝わらず、店員の言っていることもわからずすごく焦ってしまいます。

もたもたしている自分の後ろでは列がどんどん伸びてきて余計に焦ってしまい、店員もイライラしていて感じが悪くてもう完全にパニックになってしまいます。

これはもう英語わからない人あるあるだと思います。私は海外に行ったことがありませんが、アルバイト先に海外のお客さんが来た時なんかは焦ってしまった経験があります。道端でも英語で何か聞かれると、少しパニックになってしまいます。

こういう時に、わからないことを馬鹿にされたりすると結構トラウマになってしまいますよね。
恥ずかしくて英語の勉強をする気持ちも失せてしまうかもしれません。

そんな中、シャシがカフェに置き忘れたコーヒーを持ってきてくれた青年が「あの店員は感じが悪いから気にしなくていい」と励ましてくれたのがとても心温まりました。

インド映画『マダム・イン・ニューヨーク』主人公シャシの求めた男女平等

そんなこともあり、英語を勉強するために家族には内緒で英会話教室に通い始めるシャシ。

教室には様々な国の人々がいます。そしてその中に、カフェを飛び出したシャシを励ましてくれたあの青年もいました。彼はローランといいフランス人で、コックとして働いています。

このローランがまあすごくできた男というか、シャシの夫と正反対なんです。
シャシの夫サティシュは仕事仕事でシャシに冷たいですが、ローランは何かとシャシに優しくなんだか二人はいい仲になっていきます。

このまま恋仲になってしまうのか⁈それはそれでいいのではとも思いましたが、シャシはローランのアタックをかわします。

なぜシャシは断ってしまったのか?それはシャシが求めていたのは「女性として愛されること」ではなく、「人間として尊重されること」だったからです。

決して夫との仲が冷め切っていて愛情を求めていた訳ではなく、夫や子供からバカにされ続けることに憤りを感じていたのです。優しくされたからといってなびかず、分別がしっかりできているシャシはとても魅力的な女性キャラクターだと思います。旅先でいい感じの男性が現れたからといって恋愛に走ったりしないその芯の強さは素敵ですね。

しかしローランも理想のフランス人紳士という感じでとっても素敵な男性キャラクターなので報われて欲しい気持ちもありましたが…。

インド映画『マダム・イン・ニューヨーク』人間として尊重されない「母親」という存在

とにかくシャシの家族が本当にひどいのですが、実は自分もあんまり人のこと言えないかもなあとも思いました。子供たちは彼女が英語がわからないのをいいことに英語で内緒話をしたりします。さらには英語で書いた日記を無くした時も、「お母さんには読める訳ないでしょ!」と完全にバカにしているのです。

私は母親に対してここまで悪口をいうことはなかったと思いますが、父親に比べて母親はまだそんなに怖くない存在で、思い返すと昔から負担をかけてしまっていたように思います。

当たり前になってしまっている「母親」という存在

どの家庭でも当てはまるかはわかりませんが、普段から掃除洗濯料理など家事をこなして子供のしつけもしている母親の存在は、子供にとっては生まれた時からずっとしてくれていることが当たり前すぎて、あまりありがたみを感じていないのではないでしょうか。

また、「家事をしてくれる人として感謝される」ことと「人間として尊重される」ということも違いがあります。

母親に感謝してたまに家事を手伝うとか、たまには休みなよというように家族が一日代わりに家事をするみたいな思想は実は恐ろしいことだと思います。労っているように見えるその行動は、女性は家政婦であり奴隷であるということを裏付けることにもなります。

まるで一日休んだのだから明日からはまた元気に働きなさいというように。

もちろんそれを望んでいる、または分業として割り切ることのできている家庭なら問題はありませんが、その議論の余地すら与えないような古い考えに囚われている人々がまだまだ存在しているのも事実です。

私自身も子供の頃は「お母さんというものはそういうもの」と考えてしまっていたので、そこを考え直すことすらありませんでした。

シャシも家庭に縛られている状態が当たり前になってしまっていました。少し家庭から離れニューヨークでのびのびと過ごすシャシを見て、幼稚だった自分の価値観を見直すきっかけになりました。

インド映画『マダム・イン・ニューヨーク』言語のいじめは日本でも身近にある!

ニューヨークで英語がうまく話せず、そのことをとてもコンプレックスに思ってしまうシャシですが、こんな気持ちを抱えている人々は日本にも多いのではないのでしょうか。

日本ではよく海外の人のつたない日本語を笑ったりする風潮がありますが、逆の立場になってみるとこっちは真剣なのにバカにされてしまうのはあまり気分のいいものではないです。

タレントなどがそれを笑って欲しくてやっている場合は別ですが、真剣に日本語を習得しようと努力している人が間違った言葉を言ってしまっているのを笑うのはどうなのでしょうか。しかも思わず笑ってしまうというより、見下しているような態度の日本人は思っているより多いです。

英語が母国語でない国の中でのTOEFLの世界ランキングでは、日本は韓国や中国より下位でアジアの中ではかなり遅れを取っています。海外旅行で英語ができずにバカにされてしまうのは明らかに日本人の方ですね。

だから英語を勉強しろということを言いたいのではなく、私たちは英語圏ではないマイナー言語の国で生きていて、そんな中でそのマイナー言語を学ぶ海外の人をバカにするとはとても愚かなことなのです。

シャシの通っていた英会話教室では、英語ができないことをバカにしたりする風潮は一切ありませんでした。前向きに、そして楽しく学ぶ環境があれば、言語は自然と身についていくのかもしれませんね。

インド映画『マダム・イン・ニューヨーク』何かに新しくチャレンジしようとする人にぜひ

言語の問題だけに終始せず、女性の尊厳や家族のあり方など様々な切り口で問題提起してくれます。そしてそんな重くなりがちなテーマを軽快にミュージカル要素も交えて見事にまとめ上げていて、鑑賞後はとっても晴れやかな気分になること間違いなしです。

何かに新しくチャレンジしようとするのに、年齢や性別は関係ないのだということを再認識させてくれる、ハッピーで前向きな気持ちにさせてくれる一作です。

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女性の地位向上をテーマにしたインド映画6選

画像出典: IMDb “English Vinglish”