インド映画『パッドマン 5億人の女性を救った男』感想。壮大な社会改革エンターテインメント!!

今回は、「アメリカ流れ者」で町山智浩さんが2018年10月23日に紹介されていた「パッドマン 5億人の女性を救った男」の感想です。

タイトルはヒーローアクションのような感じがしますが、アクションではありません。笑
空を飛んだりはしませんが、インドに実在した一人のヒーローのお話です。

 

『パッドマン 5億人の女性を救った男』あらすじ・出演者情報

あらすじ

工務店に務めるラクシュミは、ちいさな村で妻ガヤトリと幸せな結婚生活を送っていました。ある日、ガヤトリが生理のときに不潔な布を使っていることを知り、紙ナプキンを買い与えますが、こんな高価なものは使えないと断られてしまいます。それをきっかけに安価で清潔な自家製のナプキン作りに挑戦していきます。

登場人物

ラクシュミ – アクシャイ・クマール
パリー – ソーナム・カプール
ガヤトリ – ラディカー・アープテー

インド映画界のスター、アクシャイ・クマールが主役です。今回も人のよさそうなハンサム顔が役にぴったりですね。美男美女揃いで、インド映画らしいキャスティングです。

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町山さんの『パッドマン』解説。インドでは女性の生理は「穢れ」とされる

『パッドマン』は実話に基づいた物語

「パッドマン 5億人の女性を救った男」は2018年のR.バールキの監督作品です。

この映画は実話を元に制作されていて、主人公のラクシュミのモデルは、実際に「パッドマン」と呼ばれている社会企業家のアルナーチャラム・ムルガナンダムという方です。

ムルガナンダムさんも本作同様、結婚してから奥さんを通じて生理事情を知り、当時生理ナプキンが材料費の40倍もの値段で販売されていたことに憤りを感じ、ナプキン作りを始めたのだとか。

インドでは女性の生理は「穢れ」とされる

本作はインドの田舎の村が舞台となっており、この地域では女性の生理は「穢れ」ととらえられていて、生理中の女性が触れたものは不潔と考えられています。
生理中の女性は外出や、料理を作ることができないという風習があり、男性の前で生理という言葉を口にすることもはばかられ、話題にするだけで恥だと思われています。

この考えは日本でもかつて存在していた概念です。

作中では妻のガヤトリは生理の間はベランダの檻のようなところで過ごしていたのが印象的です。
風習というのは恐ろしいもので、女性は大変な苦労を強いられていたことが伝わってきます。

そんな中、生理がない男性が生理ナプキンの開発に挑むということで色々な苦労が想像されますが、生理についてタブーの多いインドでは想像以上に様々な困難がふりかかってきます。

以降ネタバレ含みます!お気をつけください!

『パッドマン』愛する妻のためだったのに…。生理、性、に対する田舎の偏見

ナプキン開発がすべて裏目に。変態扱いされ、軽蔑されてしまう。

ガヤトリが不潔な布を使っているの見て、感染症などの病気になってしまうことを恐れたラクシュミ。何としても安価で清潔な自家製ナプキンを作るため様々な施策をとるラクシュミですが、始めはなかなかうまく行きません。

いや、うまくいかないどころか、全て裏目に出てしまいます…。

作ったナプキンをポケットに入れたまま親戚の家を訪れたラクシュミは、それをたまたま子供に見つけられてしまい、子供がナプキンを振り回してしまうというシーンがありました。

親戚の大人たちは全員絶句してしまいます。

あとでラクシュミは「なんてもの持ち歩いてるの!」と親戚に冷ややかな視線を送られます。

生理は人前に出してはいけないものという、暗黙のルールのようなものが存在しているようです。

この後も、ガヤトリのために奔走すればするほど村ではよからぬ噂が立ち、家族からも不審な目で見られ、ガヤトリとの仲も危うくなっていきます。

変態扱いされたり、狂ってると恐れられたりと散々です。
愛する妻のためを思った、科学的には正しい行動なのに、間違った知識や偏見を持った人々によって軽蔑されていくのは見ていて辛いです。

インドの結婚はそれぞれの家庭同士の契約のようなものなので、ラクシュミとガヤトリはそれぞれの身内の者によって強制的に離れ離れにされてしまいます。

日本にもある性・生理のタブー視

田舎の風習が巻き起こした悲しい出来事のように思えますが、これ、日本でも結構言えることですよね。

震災時、現地に送られてきた支援物資の中に生理用品が入っているのを見て「不謹慎だ!」と受け取りを拒否した人がいたという話がありました。
不十分な性教育のせいで、避妊具と生理用品の区別のつかない人が現代の日本においても存在しているというのが現実です。

これは極端な例でごく少数かもしれませんが、やはり日本においても生理はまだまだタブーとされています。

学校や会社で休むとき、理由を「生理痛」とはっきり言うのは異性同士だとなんとなく気が引けたりもしますよね。

この映画を見ていると、なんとなく口にしてはいけない雰囲気というものは、無知を育て、その無知は時に人を傷つけるのだということを、改めて感じさせられます。
インドの田舎のお話ですが、決して他人事ではないのです。

『パッドマン 5億人の女性を救った男』お金に走らない賢明さは成功の秘訣

私が一番印象に残っているのは、ラクシュミがナプキン作りがうまく進んでいきそうになった時に放った言葉です。

パリーという女性に手作りのナプキンを使ってもらったことをきっかけに、彼女のサポートのもと、ラクシュミが作ったナプキン製造マシンを国際的なコンテストに出品することになります。
コンテストでは見事賞を獲得し、マシンの特許をとってもっとお金を稼いで行こうという話題が出た時に、そんなにお金があってどうするんだ、とラクシュミは疑問を放ちます。

お金お金となってしまうパリーに「もし持ち手の部分が金でできている歯ブラシを作っても、どうせ使うのは先の方だけだろう?」と問いかけます。

この一言がラクシュミの信念を表しています。

彼は田舎の出身で学もあまりないにも関わらず、努力に努力を重ね栄光を勝ち取りました。

しかしそれはお金のためでもなければ、名誉のためでもないのです。

歯ブラシの先の実用的な部分、つまり自分にとって一番大切な妻の存在なのです。それ以外の金の持ち手の部分、見栄を張るためのお金や、勝ち上がるための名誉なんて彼には必要のないものだということです。

一見綺麗事にも思えますが、すごく現代的な考えだと思います。彼がただ成り上がることだけを目標にしなかったからこそ、より多くの人々にナプキンを届けることができたのですね。

『パッドマン 5億人の女性を救った男』インド映画!社会派テーマでもエンタメ作品!

このようにがっつり社会問題を取り上げていますが、小難しい雰囲気は皆無なのでご安心ください。

何と言ってもインド映画です。歌あり音楽あり笑いありロマンスありの超娯楽映画なのです

冒頭から民族的な音楽とともに結婚式が始まるのですが、画面の色彩も美しく、ミュージカル的な演出も観客を楽しませてくれます。

登場人物たちは深刻な場面でもオーバーリアクションで、コメディ要素もたっぷりあります。

社会の闇の部分を抱えながらも、明るく娯楽としてまとめ上げ、かつ問題提起もしてくれるというインド映画独特のいいところが詰まっています。

生理という扱いの難しいテーマを、子供が見てもわかるくらい明快に楽しく描けるというのはすごいです。やはりインド、おそるべしです。

インド映画界「女性の地位向上」をテーマにした作品が数多く制作されている。

近年特に、インド映画界では女性の地位向上をテーマにした作品が多く制作されています。

2012年に公開された「マダム・イン・ニューヨーク」では、女性は家庭に縛られるものだという古い考えに疑問を投げかけるようなものでしたし、

2016年に公開された「ダンガル きっとつよくなる」も、完全な男社会であるインドレスリング界でヒロイン姉妹が国の代表選手として活躍していくというサクセスストーリーでした。

他にも「PK」や「バーフバリ 王の凱旋」などのヒット作の中にも、女性の社会進出や地位向上を思わせるシーンがあります。

本作も、ナプキンが普及することによって女性が会社や学校に通えるようにしていき、さらにナプキンの販売や広報業務を女性に任せることによって仕事を作り出し、女性の社会進出を推し進めていくという内容となっています。

女性差別が深刻だと言われているインドですが、現在世界各国の中でも特に急速に経済発展を遂げていて、いままでの古い価値観を捨て生まれ変わろうとしているのかもしれません。

インド映画界全体から差別撤廃への熱い思いが伝わってくるようで、今後ますますいい作品が輩出されることも期待できそうです。

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女性の地位向上がテーマのおすすめインド映画6選

女性の地位向上がテーマのおすすめインド映画6選をこちらにまとめました。

『パッドマン』はインド映画初心者にもおすすめな王道女性応援物語!

インド映画の中でもヒット作は大概ハッピーに終わってくれるので、安心して見ることができるというのも魅力の一つだと思います。笑
今日は明るい映画が見たいなあという気分であれば是非見ていただきたいです。

こんなにも利益より人を助けることに人生をかけた男性が実在していたということは、世の中捨てたものではないのかも知れません。

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画像出典:IMDb “Padman”『パッドマン』公式サイト