今回は、「アメリカ流れ者」で町山智浩さんが2012年12月18日に紹介されていた『ジャンゴ 繋がれざる者』の感想です。
世界中に熱狂的なファンを持つクエンティン・タランティーノの監督作品の中でもかなりの人気作で、私もお気に入りの一作です。
奴隷制度の闇を扱った社会派テーマではありますが、そこはタランティーノ!オマージュ満載のエンターテインメント映画になっています!
では、どんな作品なのかご紹介させていただきます。
目次
- 1 『ジャンゴ 繋がれざる者』あらすじ・出演者情報
- 2 無料で『ジャンゴ 繋がれざる者』を視聴できる動画配信オンデマンドサービス
- 3 『ジャンゴ 繋がれざる者』町山さん解説。様々なオマージュを織り交ぜ、今までアメリカ映画では描かれなかった歴史を描く
- 4 『ジャンゴ 繋がれざる者』レオ様が流血?!緊張感&迫力あふれる会話シーン
- 5 『ジャンゴ 繋がれざる者』後半戦は殺しまくりの銃撃戦!(タランティーノ監督も出演)
- 6 『ジャンゴ 繋がれざる者』奴隷制度という史実を元にしながらも映画としてのめりこめるエンターテインメント!
- 7 『ジャンゴ 繋がれざる者』タランティーノは様々な人々の敵討ちを映画にするヒーロー
- 8 『ジャンゴ 繋がれざる者』タランティーノ初心者にもおすすめな痛快復讐劇!
『ジャンゴ 繋がれざる者』あらすじ・出演者情報
あらすじ
ドイツ人歯科医師であるドクター・キング・シュルツに助けられた黒人奴隷のジャンゴは、シュルツとともに賞金稼ぎとして悪人を殺して暮らすこととなる。
ジャンゴにはブルームヒルダという生き別れた妻がおり、彼女は残忍な農園領主カルビン・キャンディの元にいることを突き止めた二人はキャンディの農場を訪れる。
登場人物
ドクター・キング・シュルツ – クリストフ・ヴァルツ
カルビン・J・キャンディ – レオナルド・ディカプリオ
ブルームヒルダ・ヴォン・シャフト – ケリー・ワシント
スティーヴン – サミュエル・L・ジャクソン
主人公のジャンゴ役にジェイミー・フォックス、悪役にレオナルド・ディカプリオとかなりの豪華キャストです。
シュルツ役のクリストフ・ヴァルツは本作で第85回アカデミー賞助演男優賞を受賞しました。タランティーノ作品への出演は前作の『イングロリアス・バスターズ』 以来の二度目で前作でも助演男優賞を受賞している実力派俳優です!
そしてタランティーノ作品ではもはやお馴染みのサミュエル・L・ジャクソンも出演しています。
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『ジャンゴ 繋がれざる者』町山さん解説。様々なオマージュを織り交ぜ、今までアメリカ映画では描かれなかった歴史を描く
西部劇のような映画ですが本作の舞台は南北戦争以前のアメリカ南部です。
奴隷制度がはびこっており非人道的な人種差別が行われていた時代です。
町山さん曰く、実はこういった奴隷制度を大々的に取り上げた作品はアメリカ映画ではかなり少ないんだそうです。
以前取り上げたアメリカ映画『それでも夜は明ける』は本作より後の作品ですが、製作時にも白人の観客に受けないという理由で制作会社がなかなか作りたがらなかったという話がありました。
やはり白人にとっては目を背けたい歴史ということなのでしょう。
以降ネタバレ含みます!未鑑賞の方はお気をつけください!
『ジャンゴ 繋がれざる者』レオ様が流血?!緊張感&迫力あふれる会話シーン
ブルームヒルダを助けるため、奴隷を買う客のふりをしてキャンディの農場を訪れたシュルツとジャンゴ。
ジャンゴは元奴隷ということを隠し自由黒人として堂々と振る舞います。
農場では脱走を試みた奴隷を犬に噛み殺させたり、強い奴隷同士に殺し合いをさせる奴隷格闘技が行われていたりと残酷な描写が続きます…。目の前で黒人が無残に殺されていく様子をまざまざと見せつけられても、ジャンゴは動じず役に徹します。
そして散々残虐な仕打ちを見せつけられた後、やっと奴隷売買の交渉が始まります。
緊張感溢れる!タランティーノお得意の長話シーン
ここからはタランティーノお得意の長話シーン。
格闘技用の奴隷を高額で買うかのように見せかけブルームヒルダを救出しようとします。
うっかりすると計画がバレてしまいそうなハッタリの交渉シーンはそれぞれの一言一言がものすごい緊張感に包まれています!
憎たらしい農場主のキャンディ、口のうまい医師シュルツ、異様な威圧感を放つジャンゴ。
レオナルド・ディカプリオ、クリストフ・ヴァルツ、そしてジェイミー・フォックス、全員いうまでもなく素晴らしい役者ですがこのシーンは特にうますぎます。
計画がうまくいきそうだったところでキャンディに仕える自由黒人のスティーヴンはジャンゴとブルームヒルダの関係に気づき、キャンディにそれを伝えてしまいます。
シュルツが格闘技用の奴隷など買うつもりがないとわかりキャンディは激怒します。
この時ものすごい勢いでグラスを割ったレオ様は手が血まみれになってしまいますが、実はこれはアドリブなんだそうです。笑
後半のアクションシーンもすごいですが、会話シーンも迫力満点なのでお見逃しなく!
『ジャンゴ 繋がれざる者』後半戦は殺しまくりの銃撃戦!(タランティーノ監督も出演)
キャンディの残忍さを見せつけられすぎてストレスが溜まりに溜まったところで後半です。
散々ひどいことしてシュルツに握手を求めるキャンディ。
観客的にももう我慢ならん!というところでシュルツの堪忍袋の緒が切れます。
せっかく交渉がまとまったのにキャンディと握手するのは生理的に無理だわ、ということで射殺してしまいます。笑
シュルツもキャンディの側近に殺されてしまいますが、ジャンゴはなんとか銃をとりキャンディの手下をバンバン殺していきます。
しかしブルームヒルダが人質に取られ、ジャンゴもやがて捕らえられてしまいます。
ジャンゴは捕らえられたのちにさらに残忍な奴隷主に売り渡されることとなりますが、運ばれている途中で言葉巧みに従業員を騙し、脱出します。
このシーンではタランティーノ監督も従業員として出演しています!
その後キャンディの屋敷に戻りブルームヒルダを救出すべく白人を銃で滅多打ちにします。まるで今まで殺された奴隷たちの敵討ちをするかのようです。
(本作がアメリカで公開された時、白人の血飛沫にまみれたこのシーンでは黒人の人々が大歓声を上げて盛り上がったそうです!)
『ジャンゴ 繋がれざる者』奴隷制度という史実を元にしながらも映画としてのめりこめるエンターテインメント!
かたくなりがちな歴史モノも鬼才タランティーノの手にかかれば個性的な作品になります。
監督作品には様々なオマージュを取り入れることで有名な監督ですが、今回はイタリア製の西部劇いわゆるマカロニ・ウェスタンと、70年代の黒人映画のオマージュ的な作品です。
私はそのあたりの作品を全然見ていないのでなんともわからないですが、映画マニアのタランティーノらしく本作も映画愛溢れる作品となってい流ようです。
歴史に基づいてアメリカ南部の闇を描きつつも、様々な要素を取り入れかたくならずしっかりエンタメとして楽しめます。
『ジャンゴ 繋がれざる者』タランティーノは様々な人々の敵討ちを映画にするヒーロー
『イングロリアス・バスターズ』
前作の『イングロリアス・バスターズ』では第二次世界大戦のフランスを舞台に、史実とは反対にユダヤ系アメリカ人の特殊部隊がナチスをぶっ殺しまくるという内容でした。
タランティーノ監督はユダヤ系ではありませんが、ユダヤ系の人々のためにそんな映画を作ってしまったのです。
『デス・プルーフ in グラインドハウス』
2007年に監督した『デス・プルーフ in グラインドハウス』は若い女性を車で惨殺する異常性癖の男の話でしたが、最後は殺されかけた女性たちが逆に男を半殺しにするという大逆転の展開でした。
これもものすごい長話と無残な殺人シーンを延々と見せられて最後の最後にカーチェイスを繰り広げて大反撃をするというフラストレーションを爆発させたような作品です。
黒人差別に真っ向から立ち向かった本作
本作も黒人差別に真っ向から立ち向かった作品で、タランティーノは社会的な圧力で差別を受けてきた人々の心の叫びを映画で表現するヒーローなのです。
そして比喩やわかりにくい表現ではなく、彼らの受けてきた暴力をそっくりそのまま悪人たちにお返しするというスタイルが一貫していて見ていて気持ちがいいです。
ほとんどの作品は暴力描写が多いのでかなりグロテスクですが、やはり最後は悪人をやっつけるという内容が多いので鑑賞後は爽やかな気持ちになります!
町山さんもタランティーノは仇討ち請負人とおっしゃっていましたが本当にその通りで、今後もそんな弱者に寄り添うような爽快な作品が見れることを楽しみにしています。
この夏公開するブラッド・ピット×ディカプリオ共演の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が待ち遠しいところです。
『ジャンゴ 繋がれざる者』タランティーノ初心者にもおすすめな痛快復讐劇!
本作は起承転結もあり時系列もバラバラになっていないのでタランティーノ作品の中ではかなり見やすい方の作品かと思います。前半は少し奴隷が殺され続け残酷な描写が多いですが、後半はスカッとするのでぜひめげずに最後まで見て欲しいです。
タランティーノ作品を見たことがない人は手始めに本作を鑑賞してみてはいかがでしょうか。
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※情報変更はご容赦ください。
浜村満果
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